「波打ち際にきえる」という本について舞台設定などをつらつらと。
1.波打ち際にきえる
pixivに投稿した初めての黒手でした。当時は狂ってたので自分にしては異常なペースの一週間で書きました。辻褄の合わないところや構成をちょこちょこ修正したのでpixiv掲載分と少し違います。終わり方が結構お気に入り。
海鮮丼は井ノ弥さん。宿は木津屋旅館さん。コロッケは道の駅高松さんがモデル。
(3/10追記)ピザはひがし茶屋街のペルケさんがモデルです。
2.夜明け前
▷たとえば名前をつけるとして
出会いも全部妄想できるのは原作で絡みのないCPのよいところ。好きになっていく過程を書くのは骨が折れますが、書き終わったあとのやりきった感は好きです。起承転結の転結が剛速球展開なのは起承を書くのに燃え尽きてるせいです。
最後のほうの「やおら溶けてなくなってしまうような」という一文、やおら! 使いたかった。
運命と偶然、溶けて、などの言葉を三章にぼや〜っと繋げてます。
ちなみに手嶋の家のイメージは大阪環状線の東側。黒田は環状線の京橋駅から、別の線に乗り換えてもうちょっと東のほう。
▷白球に告ぐ
黒手に野球観戦してもらうのが趣味なのですが高校野球はセンチメンタルなので、球場でワイワイしてもらうにはやっぱりプロ野球がよいです。
大人になった手嶋は遠ざかっていく青春に人一倍敏感なんじゃないかな、そういうとこ全部含めて黒田の何気ない言葉に救われてほしいな、と思って書いたお話でした。
▷紅葉色のカンバス
鴨川デルタという言葉の響きがたまらない〜〜! 電気ブランと赤玉ワインも。好き。手嶋の台詞に出てきた神社は下鴨神社、塩豆大福は「出町ふたば」さんです。このへん有頂天家族とたまこマーケットの影響がつよい……
夜の京都、黒手にあう。いやあわない街などないんですけども。
黒手に電車に乗ってもらうのもまた趣味なのですが、本の中でJR、阪神、京阪、叡山電車に乗るシーンはあるのに阪急には乗ってない!と気づき「阪急で帰ろう」のくだりを入れちゃいました。
▷オリオンのころ
酔っぱらった手嶋と黒田の対応がふたりっぽく書けたかな〜と個人的に満足してます。どっちが酔ってもかわいい。
初めてでは成功させないぞ精神で書きました。
▷トクベツをひとつ
もともとバレンタイン絡みの話にする予定はなかったのですが、「とびきり甘くて特別なそれを俺はひとつだけもらうから」という一文が思い浮かんで、最後をこれで締めたい!と目がけてたらバレンタインの話になりました。「二回目 成功 ヤッター!」というくそみたいなプロットからよく形になったなと思います。
3.とけた海のなかから
転勤の話を掘り下げるとか女の子を出してみるとかトラブル展開もちらっと考えたのですが、書きたいものから逸れてしまうのと、外部要因なく前に進むほうが黒手らしいなと思ったので静かな展開になりました。
お気に入りは「魚かなにかに食べられちまったかなぁ」という手嶋の台詞。あと、終盤エンドロールっぽく淡々と書けたこと。大事なのはポエムを恐れない強いきもち。
あとがきまで読んでくださり、どうもありがとうございました。